ねこぼうし

 午睡をしていたら、枕の上にねこが歩いて来て、ちょうど私の頭上で寝転がった。そんなもんだから、ねこのお腹が私の頭をすっぽりと包んだ。ふわふわなねこのお腹がゴロゴロと鳴って揺れながらリラックスしている。あったかくてユラユラとした生きている帽子が私の頭を包んだ。

 私は、不思議な無意識の世界に入り込んだ。長年一緒に暮らすと、同居人のニーズを察するのだろうか? ねこは、私の全てを知っている証人だった。ただ話せないだけ。人間になる事があったなら、色んな思いを共有できるだろう。

 ねこぼうしに悲喜こもごもの思い出に包まれておだやかな秋の夕暮れをすごしましょ。