午後からの会合が終わって、疲れて帰る夕方。参加者の一人と、同じ方角へ歩きながら、
「日が落ちるのが早くなりましたね。」
「鈴虫も鳴いている。涼しくなった。羽織る物が必要ですね。」
と話しながら帰った。
電車の中で、友人からのメールに返信をしていて、下車駅を一つ通り越してしまった。
またやってしまった。と、乗り換える。
疲れた足で、やっと家に着く頃、暗くなった秋空に星が瞬いているのが見えた。
縞模様の雲間に、宵の明星が燦然と光っている。
ふと、ラインで送られて来た友人の嘆きを思う。
同じ立場だったら、誰だって失望するよ。と、私も嘆きに返信した。
歩いているうちに、星は雲に隠れて行く。
ここは、地球なのだな。と思う。
どんな嘆きも、地球の夜に一つに包み込んでいくのだ。