世阿弥は、舞台役者であり、劇作家であり、プロデューサーであり理論家でもあったという。
人生の舞台では、逆境体験も芸術にまで昇華することができるだろうか。
世阿弥は、乞食と馬鹿にされていたが、役者としてたゆまぬ努力の日々を送った。
そして、深い自然な演技で観客を感動させることが出来た。
役者の心が観客に繋がる。
うまい役者は、悪役も善人も自由に役を作ることも出来るそうだ。
毎日徹底的に技術を磨き、自信ある形になったら、本番ではそれを捨てる。
知られない様に、自分のこころを隠しながら、
謙虚になって自分を捧げる状態が、共感を与えるという。
ふと、「また騙されたわ、、」そんな達人の演技が笑いと共に、こころに浮かんだ。
残る人生の舞台では、
そろそろ違う役を演じたいと思う。
*参考文献:無心のダイナミズム「しなやかさ」の系譜 西平直 岩波書店