流れ

 夕方、雨が止んだようだったので買い物に行こうとしたが、夕立に見舞われた。食料も底をつきかけていたので、大きな傘を持って出かけた。

 自治会の総会レジメを入れていた袋をそのまま持って出てしまったから、18カ所巡りのおまけ付きだった。

 さっさと済ませてしまおうと思って、あちこちを回る。配って居ると隣のお寺の住職が、ちょうど玄関まで出て来た所だった。いつも挨拶をしても声が小さくて笑顔を見た事も無く、ややとっつきにくい人だと思っていた。しかし今日は、雨の中に現れた私におどろいたのか丁重な挨拶を返してくれた。へぇーこんな小さなお年寄りだったんだ。と思う。

 袋が空になって、食料を買っての帰り道。最後に坂道を登る。結構な傾斜だから息が切れる。当たりは、明るくなって来たが、そこに小川が流れている。流れを避けて、坂の上を見上げると西の空の雲間に明るい日の光が差していた。

 

 夜には、友人たちとのセッションだった。「明るくなってきた。」と言われた。人生の夕方にも、明かりが差しかけた。