ドキュメンタリー

 SOPHIA  UNIVERSITYで、ジャーナリズムについてのシンポジウムがありました。

 まず、2つのドキュメンタリーを視聴しました。
 一つ目は、JR福知山線の事故で重傷を負い呼吸が止まった30歳の女性です。医師は、家族に「助かったとしても意識は戻らない。」と宣告します。
 しかし家族は、わずかな可能性にでも希望をかけ、決してあきらめません。その思いに女性は少しづつ変化して行きます。2年後には、自分で食事ができるようになっていました。
 もう一つは、ずさんな労務管理で30歳の夫が急死した事例です。妻には、大手企業に対して過労死を立証しなければならないという過酷さでした。その後、公的機関の収賄事件も発覚します。
 妻は多方面と連携しながら裁判に訴えて、やがて勝訴します。勝訴したのは、日々克明な記録を付けていた妻の思いが繋がったからでした。
 
 二つのドキュメンタリーの視聴後に質問の時間があったので、大学生に混じって聞いてみました。登場した皆さんは、15年後の現在でも、元気で過ごしているとのことです。良かったぁ~。
 
・ジャーナリストとして誰に向かって何を伝えるのか。語りにくい事を、個人から社会を見て行く姿勢。問題提起は、色あせない。
・その人の力になりたい。社会がわかるきっかけになるように。世の中の流れから取りこぼされてしまう人が幸せであって欲しい。
・ドキュメンタリーは、長い間付き合って伝えて行かなければならない。
・全く知らなかった世界を深く伝えることが出来る喜びがある。
・気を付けなければ、ちょっとした所作で信頼を失う事がある。
 
 上記のような私は、たくさん学びを得る事が出来ました。そして何よりも人は、真実にこころを動かされるのだと思いました。
 会場から外へ出ると、私は焼けつくような日差しに照らされました。子ども時代のトラウマで苦しんだ私は、学生時代は落ち着いて学ぶことが出来ませんでした。いま私が、大学生だったらどんな人生だっただろう。そんな思いが込み上げました。
 しかし、そんな風に自分で枠を狭めなくていいかな、と思い直しました。
 そして、またどこかへ行きたくなり、先日見たドキュメンタリー映画をもう一度観に行くことにしました。そこには、よく知るスーパーバイザーの名前がある事に驚きました。私は本当は、恵まれているんだと思います。
 
『自分が自分の人生のディレクター。』
 いつも、そんな風に自分を励ましていました。
 
 私も、トラウマを負った人生でしたが、たくさんの人の力を借りて、自分の人生を、責任を持って再建して行く姿を書き綴って行きたいと思います。