時差

 パソコンが出来るだけで、自治会で役所への申請書類を作成する役をもらった。

 軽く考えていたが、なかなかの分量だ。

 時々、お向かいのご近所さんが修正した会計報告を持って来られる。

 こんなに細かい仕事をしていたなんて知らなかった。

 前年度の書類をみると、今年度の申請書は、さらに細かい内容を求められている。

 今日は、もう程々にして置こう。

 

 と、思って居たら友人から電話があった。

 17時に約束していたが、15時に電話がある。

 「おはよう!」と元気な声だ。

 ああそうか8時間の時差があるから、どっちかがまた間違えたのだ。

 「昨日は大変だったの?」と聞かれた。

 友人からの伝え聞きで、私を心配してくれているようだ。

 

 子どもの頃に置き去りにしていた思いが、時を経て迷い込んでいるから、なかなか収拾がつかない。これが、いつまでかかるのやら見当もつかない。

 もう嫌だイヤダと言って居る。まるで駄々っ子のように。そんな事を話した。

 

 彼女は、最近はまっている瞑想が劇的な変化をもたらしている。と嬉しそうに言う。

そして子供時代の不自由な自分に共感できたのだそうだ。

 

 友人や家族の幸せな様子がありがたい。お互いに心置きなく話し、家族の幸せを思うことに感謝しかない。そんな話で終わった。

 

 またご近所さんが、呼び鈴を鳴らした。

 細かい数字を何度も何度ども見直して、飽きることなく穏やかに日常は過ぎて行く。