旧友

 先日、夜間に地震があった。私は、長い時間揺れる地震に慣れていない。これで人生が終わる時もあるのかも知れないと思った。

 咄嗟に考えたことは、人生の片づけ物が終わっていない無念さだった。私は、人生で出会って来た大切な人たちと語れない事が辛い。

 急に、地方で一緒にボランティア活動をしていた友人と話したくなった。それで、思い切って電話をかけて見た。私が、どうしても言えなかったことを伝えた。

 帰って来た言葉は、意外だった。「あたたがそんなにつらい思いをしていたなんて知らなかった。ごめんなさい。」

 その言葉に、「とても言えない。話してはいけない。」と思い込んでいたのは、私だけだったのかも知れない。独善的な考えであったと知った。

 地震の出来事から思わぬ展開があった。

 今日、旧友の力を借りて、自分の物の見方を一つプラスに修正することが出来た。