神さまに一番近い人

 午前中は、アートセラピーに行って来た。なんだか今日の講師は、美しさがランクアップしているなぁと思う。

 まず説明を始めた。

「昨日、つながりってなんだろう?と考えていた。離れたものを橋でつなぐ。渋滞などの連続したもの。関係性だと家族の情のつながり。ずっと続いて行く…。考えているうちにわからなくなった。だから、それは置いといて、、」と両手でジェスチャーも交えて説明する。

 講師の先生は、テーマは、いつも直前に決めてたんだって!

「えーそうだったの?考えてると思ったわ!」と私。

 講師は、考えることをやめてみたとの事。

 とりあえず今日は、

 ”アートを介したつながり”

    と言うことだった。

 試行錯誤して行く中で、身についたプロセスがある。手を動かしてみる。すると、手に伝わる感触から、好きな画材を繋げて行く。私も幼児期には、こんなことが好きだったな。と思い出した。  

 

 この講座に何度も行くうちに、参加者と知り合い、気の合う仲間になっている。

 お隣のヨウコさんは、美大を出ているそうで、いつもプロの画家の作品に仕上がる。まるで清流が流れている音が聞こえてきそうだ。

「さすが画家の作品は、違うね。」と私が言うと、ヨウコさんは、

「画家っていう職業ないよ。誰でも筆持ったら画家になる。思いのままに表現するだけ。クリエイターは、神さまに一番近い人です。」と、誇り高い。

 

 私は、新聞紙を手に持つとくしゃくしゃと丸めてみた。地球みたいだ。針金をクルクル巻くと、籠になった。そして色んな物を投げ込んでみた。すぐにできてしまう。時間が余ったから、もう一つ籠をくっつくてみた。

 地球と月が上手く出来た。月は、天国に行った人達がいるような気がした。そして今いる地球は、生き物で溢れている。細い針金とアルミホイルで、地球から流れ出る川も表現した。

 

 一時間程で、それぞれの作品が出来上がって観賞会となった。

 一人一人の作品が全く違う視点で出来上がっているが、毎回一貫した形を醸し出している。それも不思議だ。

 みんなの感想は、

 「揺れながら繋がって行く。」

 「ノープランで作る面白さ。」

 「くっつけようと思っても、くっつかない素材があるんだなぁ。」

 「天から降って来るようにも見える作品だ。」

 「届けたいハートをいっぱい作り、楽しく出来た。」

 「中を探って行くと、秘密のものが起きて来る。」

 「流れの一瞬を表現する。」

  色々な感想だった。

 そして、私は「高級マンションに飾らせているオブジェみたいね。」と言われ恐縮した。 

 

 お隣のヨウコさんは、「美術館に大きな油絵を出展するので見に来て欲しい。」と、葉書を下さった。何より入場無料が気に入ったので、必ず見に行くと約束をした。 

 さらには、彼女は、シスターなんだって!どおりで気が合うと思ったわ。

 わたしは、緊張を強いられる午後に向けて、力付けをもらった気がした。