20年以上話していなかった母と数ヶ月前から週一回の頻度で話している。
私がお願いして、お互いの子ども時代を分かち合う時間を作った。
母は、楽しかった子ども時代をしばらくの間話した。
話しが私の事になると、トラウマとPTSDに苛まれた話しは、避けられないない。
だから母は、「ぞっとするような事を子どもにしてしまった。」と思ったらしい。急に、薬を飲んでいる身だとか、何か送りたいと口をはさむ。
「私が欲しいのは、ただただ黙って聞いてくれる親の愛なんです。」
そう言って、思わず胸が詰まった。
「ああ、そう。」と母は意外そうにゆっくりと返す。
私の本音は、通じただろうか。
語り合いは、また来週へと続けることになった。
言葉に出来なかった、悲しさ、苦しさ、恨み、憎しみ、何よりも子供が親を想う切ない愛が有るから…今、言える事だ。
どちらが先に、命が尽きるか分からない。
命があるならば、語り合う事。それが私が最も欲しかったものだった。
そう気づいたら、涙が止まらなくなった。