幸せの光

 語り合いの会が終わっての帰り道。3人でたわいもない話をしながら歩く。

 夜の街のまだ開業していない高層ビルの中ほどに明かりが付いていた。

 一人が声を上げた。「あ!人が居る!」かわいらしい声だ。と思う。

 一緒に歩いていた私と、もう一人の女性も同じ方向を見つめた。「あーホントだ!」それは不思議な暗がりの中に、切り取られた一枚の写真の様に映し出されていた。そこに、かろうじて人と見える小さな2人の影が見えた。その二人は、身体を斜めにして床を見ながら何か相談している様子だった。

声を上げた彼女が私に聞く。「もう、ここに居る感じがするようになった?」

「う~ん。少しね。でも都会にいても原野に居るのと変わらない感じがするね。」と私が答える。

もう一人の女性が、原野に憧れがあるらしく「行ってみたいな。」という。

故郷の原野や動物たちが脳裏に浮かぶ。

私は、言霊が共鳴する時をかみしめながら帰路についた。